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2012年8月20日 (月)

2012年8月20日 (月)

建築について

当社の夏季休暇も終わり、社員は心身ともにリフレッシュしたようです。
私はというと田舎でオリンピックを見たり、甲子園を見たりしてのんびり過ごしておりました。
以前は建築を見ようと海外旅行に行ったり、好きなことばかりやっていましたが、さすがに家族がいるとそうもいきません。
 
こんにちは。設計担当の山崎です。
 
 
今日は、昔行ったオランダを思い出してひとりごと・・・
 
 
オランダというと、アムステルダムの運河沿いに長屋のように立ち並ぶ街並みを思い出します。
それは、間口が無く奥行があるレンガ造りで三角屋根の建物。
アンネの日記でも有名なアンネ・フランクの家もこのような街並みの中にあります。
 
 
Skmbt_c3531208220859001
 
■運河沿いに並ぶ建物(アムステルダム)


 
ところで、私が好きな建築にユトレヒトにあるシュレーダー邸があります。
 
 
今から80年以上前の1924年(日本の大正13年)に建築された個人邸。
建築家リートフェルトとクライアントであるインテリアデザイナーのシュレーダー夫人によって創り出されました。
リートフェルトはもともと家具職人で有名です。
代表作としては、赤と青の椅子(Red&Blue Cheir 1923)やジグザクチェア(Zig-Zag Chair 1932)等があります。

Rietveld_chair_1_2
■Red&BlueChair(1923)
背もたれの赤、座面の青以外は黒の線形によるデザイン。
小口の黄色も良いアクセントとなっています。
(画像はwikipediaより) 

 
 
きっと見たことがある方もいるのではないでしょうか。

 
シュレーダー邸はこのデザインを踏襲した、白とグレーの平面に赤、青、黄といった原色の線により構成されています。
当時としてはとても奇抜なデザインです。
モダン建築の先駆的存在となっているこのデザインは、今でもなお高く評価されています。
 
 
Skmbt_c3531208210855106_2
■シュレイダー邸外観
白とグレーの平面に赤、青、黄と原色のラインがとてもきれいに映えています。
 

 
私が好きな理由は、この洗練された外観デザインもありますが、住宅の細部にわたるデザインや空間構成にあります。
シュレーダー夫人は当時の一般的な壁で間仕切られた空間構成ではなく、1つの大きな空間による計画を希望しました。
開放的空間を如何に利用するか、また空間の構成を如何に変えていくか・・・
実際に中を見ましたが、細部にまで気を配った空間は今でも通用するくらいの良い出来です。

Skmbt_c3531208210853003_2
■シュレーダー邸1F
 
 
Skmbt_c3531208210853107_2
■シュレーダー邸2F
(※内部見学のときにもらったパンフレットより) 
 
 
例えば、住宅の2階部分は天井まである可動の間仕切りによって1つの大きな空間から4つの部屋まで変化をつけることができます。
また窓に至っては、当時ほとんどなかった建物のコーナーの窓を使用し、より開放的な住空間を演出しています。
気候に合わせて見せたり塞いだりする天窓の仕掛けもあります。
さらに扉にはおもりにより引き戸を軽く開け閉めできるような仕掛けが施されております。
子供の部屋は、勉強に集中できるように配色や採光に気を遣ったり。
今では当たり前のような空間構成の手法が80年以上も前に模索され、実現されていたと思うと本当に感動いたします。

 
Skmbt_c3531208210852101  
■シュレーダー邸内部
コーナーの窓はとても開放的で階段部分の天窓からは光が差し込んでいます。 

(※内部の撮影は禁止されているため、当時購入した絵はがきより) 
 
 
ここまで考えられた住宅はやはり住み続けるだけの価値があったのでしょう。
シュレーダー夫人は亡くなる1985年まで、実に60年余りの間住み続けました。
 
 
このような長きにわたって存在できる『価値ある住宅』を私たちも創り上げていけるようになりたいものです。
 

最後に、リートフェルトのシュレーダー邸は2000年文化遺産として世界遺産に認定されました。
なって然るべき建築であると私も思います。

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